2017年12月 ビットコイン…史上最高値220万円からの大暴落はなぜ起きたのか?!

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Bitcoinに関する情報
シンボル BTC 正式名称 Bitcoin
カテゴリ 暗号通貨 対応取引所数 457
現在価格 5,349,806円 ($49,924) 取引量(24h) 6,876,699,167,082円 ($64,172,856,849)
最大発行枚数 21,000,000枚 循環流通枚数 18,644,368枚
時価総額 99,744,462,456,417円 ($930,808,074,510) 還元方式
暗号方式 SHA256 承認方式 PoW(Proof of Work)

誕生から10年がたったビットコインですが、これまでの最高値は2017年12月に記録した約220万円です。

220万円の最高値を付けたあとのビットコインは、2018年の1年間をかけて45万前後まで下落しました。ニュースでもネタにされる機会が多かったので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

2018年の動きの中では一時盛り返す値動きもありましたが基本的には右肩下がりまたは横ばいの値動きが続きました。

2018年4月に中国の暗号資産取引所「FCOIN(エフコイン)」がβリリース。取引所が独自に発行するユーティリティトークン…通称「取引所トークン」の火付け役として話題を呼びました。
詳しくは、仮想通貨解説カテゴリの下記記事をご覧ください。

FCOIN Token(エフコイントークン)<$FT>

つまり、2017年12月につけた史上最高値を折り返し地点として上昇トレンドだったビットコインは下降トレンドに切り替わったわけです。

今回は、上昇トレンド真っただ中だったビットコインが下降トレンドに切り替わったきっかけとなった2017年12月17日~22日に起きた暴落について振り返ってみたいと思います。

暴落の概要

まず暴落の概要について振り返っていきましょう。値動きとしては2017年12月17日~22日の値動きです。

価格としては取引所によって多少バラつきはありますが、史上最高値の220万から145万程度まで約45%の下落を記録しています。

下落率という点では他の暴落でも同様の下落率を記録したことは何度もあるビットコインですが、下落した【値幅】という点では最大の下落幅となりました。

上記動画はネタとしてネット上のあちこちに出回ったものですが、「起きたらお金が増えている」「ロングしとけば勝てる!」という感覚は、当時参戦していた私としても忘れられない記憶です。

ロングとは、先物取引やFXで「買い」建てすることを言います。価格が上昇することで利益が出る仕組みです。逆に、価格の値下がりにベットすることをショートと呼び「売り」建てすることを指します。

当然のことながら、そんな”良き時代”は長く続かず、仮想通貨をガチホしていた資産価値はみるみる減少し、ガチホ勢は目も当てられない状況に陥ったことは言うまでもありません。

強制決済、追証などの関係で、この暴落を最後に仮想通貨トレードから手を引いた方も多くいたと思います。

トレンド転換の契機はなんだったのか?

史上最高値を更新していたビットコインがなぜこのタイミングでトレンドを転換したのでしょうか。
原因として考えられるファンダメンタルズ情報(以下、「ファンダ」)やテクニカル分析についてまとめていきたいと思います。

ビットコイン先物上場

1つ目はビットコインの先物市場への上場です。
先物市場とはあらかじめ定められた期日に決まった金額で金融商品を売買する金融市場のことです。

一般的に、先物市場に新たな金融商品が上場される前は、空売りへの警戒から直前まで価格下落が続いたりすることが多々あり、さらに上場直後には急な値動きをすることが知られています。

そんなビットコインの先物上場は日本時間の2017年12月18日。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に上場しました。

CMEは先物を取り扱う取引所としては世界最大の取引所でCMEへのビットコイン上場により機関投資家やヘッジファンドの参入も期待されていました。
この時のビットコインの価格の高さも相まって注目度はかなり高かったようです。

ちなみに、遡ること1週間前にもビットコインはCBOE(シカゴ・オプション取引所)にも上場しており、上場直前の2日間で価格は空売りを警戒する下落から、上場直後には反発していたことから、CMEの先物上場でも「同様の動きをするのでは?」という予想が立てられていました。

しかしながら、CBOEもCMEのどちらの先物市場においても、市場が期待したほどの取引量には至らず、そのことによる失望が暴落の1つのトリガーになったと考えられます。

ビットコインのドミナンス低下

2つ目はビットコインの時価総額ドミナンスの低下です。

ドミナンスとは日本語で占有率を表す単語で仮想通貨市場全体の時価総額に対して各通貨の時価総額が全体の何%にあたるかを表した指標です。
ドミナンスが高いほど市場における影響力が高いと言えます。

 

今回の暴落におけるドミナンスの流れを見ると暴落直前まで50%以上を保っていたビットコインのドミナンスが17日を境に下がり始め、アルトコイン(特にビットコインキャッシュ)のドミナンスが上昇していきます。

これはつまりビットコインに投入されていた資金が「ビットコインを売ってアルトコインを購入する」形で、アルトコインに流れていたことを示しています。

ビットコインからアルトコインに換金されたことによって、当然のことながらビットコインには売り注文が多く入り価格下落の一因となりました。
その結果、ビットコインの暴落のタイミングで多くのアルトコインが一時暴騰しました。

長期移動平均線からの大きな乖離

3つ目はテクニカル分析における要因です。
テクニカル分析はチャート足から読み取れる情報や様々なインジケーターを活用してトレードの方針を考えるために利用されます。

インジケーターが絶対…というわけではありませんが、市場を見ている人は参考にしている場合が多くかなりの数のトレーダーがテクニカル分析を意識してトレードをしています。

今回の暴落においては基本的なインジケーターの1つ、移動平均線(60期間)を意識した値動きをしていたことが分かります。

冒頭で示したチャートにも移動平均線を載せていますが暴落前のビットコインの価格は移動平均線から大きく乖離しています。

チャートの動きは、基本的には移動平均線に近い動きをすると言われているので、この大きな乖離がどこかのタイミングでなくなっていくと考えたトレーダーは多くいたはずなのです。何が言いたいか?というと、価格としては下方向に行きやすかったということです。

結果的に12月17日を頂点に22日にかけて暴落するわけですが、暴落が止まった時点の価格においても移動平均線が意識されていることがチャートから読み取ることができます。

暴落開始のきっかけについては、先に説明した

  • 先物取引市場への上場
  • ドミナンス低下

といった、2つのファンダの影響が大きいと考えられますが、値動きについては移動平均線が意識されていたこともあり大きな下落幅となってしまった…というのが大方の見方です。

暴落後の値動き

史上最高値から暴落したビットコインは、2018年に入って一度は180万近くまで価格を戻しますが市場整備のための規制が各国で進んだこともあり、高値を更新することなく右肩下がりに価格は下落。
本格的な下降トレンドに切り替わっていきました。

最高値後の暴落はバブルだったのか?

史上最高値から暴落したビットコインはバブルだったと評価する方も多くいます。

実際、下落率・下落幅ともにとても大きかったこともあり、「バブル崩壊」を完全に否定することは難しいかもしれません。



本連載でとりあげた相場トリガーの一覧とBTC騰落率(命名の一部は当編集部で独自作成)

時期 トリガー名 BTC 原因
高値 下値 差額 騰落率
2011年6月~11月 Mt.GOXショック 1,400円 160円 1,240円 -90% ・取引所Mt.GOXのハッキング
2017年9月2日~15日 チャイナショック 55万円 30万円 -25万円 -45% ・BTCC閉鎖
・中国政府ICO違法見解
2017年12月17日~22日 先物上場失望ショック 220万円 145万円 -75万円 -45% ・BTC先物情報
・BTCドミナンス低下
2018年1月16日 韓・中FUDショック 140万円 105万円 -35万円 -25% ・韓国政府仮想通貨違法認定
2018年1月29日~2月5日 Coincheck事件ショック 125万円 80万円 -45万円 -35% ・取引所Coincheckのハッキング
2018年3月6日~10日 BINANCEハッキングショック 122万円 93万円 -29万円 -24% ・BCHのハードフォーク
2018年11月15日~18日 BCH分裂ショック 71万円 49万円 -22万円 -31% ・BCHのハードフォーク
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hubexchangeのメディア部門を担う「編集部」の公式アカウントです。 編集長はもぐらいだー(ikenaga)。ハッキングされた取引所の事象発生から現在までを追う「ハッキング探偵」などの企画立案や執筆時マニュアルの策定などの編集部内外の標準化ツールの整備に注力中。メディア事業に興味があるアシスタント希望者求む!
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