暗号資産取引所(仮想通貨取引所)の選び方 <ブロックチェーンラボ>

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2017年12月の約220万円の絶頂期から、30万円台の氷河期を経て再び90万円台[2019年5月15日時点]まで復調したビットコイン(BTC)ですが、『なんか盛り上がってるから買ってみようかしら?』なんて思っている方も多いのではないでしょうか?

というわけで、本稿では暗号資産を手に入れるための「取引所の選び方」について触れていきたいと思います。

その取引所…欲しい暗号資産を取り扱ってますか?

取引所を選ぶにあたって最も重要視すべきものは、その取引所が欲しい暗号資産を取り扱っているかどうか…に尽きます。

…もはや、これ以上もこれ以下も無いのですが、もう少しだけ押さえておくべきポイントをご紹介致しましょう。

さて、「欲しい暗号資産」についてですが、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といったメジャーな暗号資産の場合、基本的にはどの取引所でも取り扱っているので気にする必要はありません。

しかしながら、XEM(ネム)やRipple(リップル)…といった暗号資産になると、購入できる取引所は限定されることになります。

日本の取引所で購入できる暗号資産(2019-05-19調べ)

取引所名 取扱通貨 手数料
BTC  ETH  LiteCoin  ETC  XEM  BCH(ABC)  BCH(SV) XRP  MONA QASH  Maker  Taker 
BitFlyer  × × × × 0.01 ~ 0.02%
BTC/Altcoinで異なる
Coincheck × × × 0% 0%
SBI VC × × × ×
2019年6月28日廃止
× × 0% 0%
DMM Bitcoin  × × × 0% 0%
GMOコイン  × × × × -0.01% 0.05%
FISCO × × × × × × × 0 ~ 0.3%
BTC/Altcoinで異なる
Liquid by QUOINE × × × × 0% 0%
Bitbank × × × × × × -0.05% 0.15%
Bitpoint × × × × × -0.01% 0.05%

というわけで、「日本の取引所で購入できる暗号資産」をざくっと一覧にしたものが上記表です。

ちなみに、上記表の通り日本の取引所で取り扱いが可能な暗号資産は(ほぼ)メジャーなものしかありません。
なぜか?というと、日本の取引所は「暗号資産交換業」としての認可を金融庁(関東は関東財務局/関西は近畿財務局)から受ける必要があり、かつ「ホワイトリスト」と呼ばれる”お墨付き”を得た暗号資産しか取り扱えないという実情があるからです。

一方で、Liquid by QUOINEは上記表以外にも多くの草コインを取り扱いしています。
この取引所は、運営元のQUOINE社の経営者が日本人というのと、日本で(日本人をメインにした)適法なICO(initial coin offering)を実施するにあたり金融庁の認可を取得した…感じなので、日本の金融庁認可「も」受けているワールドワイドな暗号資産取引所と認識してもらったほうがよいかもしれません。

ホワイトリストと匿名通貨

ほとんどの暗号資産の取引履歴は「エクスプローラー」というツールを使えば、「Fromアドレス」「toアドレス」「日時」「数量」が閲覧できるようになっています。
いわば、銀行で言うところの「通帳」がモロ見えになっている状態というわけです。

しかしながら、一部の暗号通貨は取引データを秘匿できるようになっており、それらに類する暗号通貨は「匿名通貨」と呼ばれています。

暗号資産名 シンボル
Monero $XMR
Zcash $ZEC
Dash $dash

匿名通貨には上記表のようなものが存在しますが、マネーロンダリングを助長する可能性がある・・・ということから、基本的に日本ではホワイトリストには入れないと言われています。

なので、ビットコイン以外に購入したい暗号資産があるのであれば、「販売している取引所」を選択する必要がありますし、逆に『ビットコインだけ買いたい!』ということであれば、気に入った取引所を選択するのが良いかと思います。

ただ、暗号資産は株と同じく需要と供給で価格が決まるので、「売りたくても売れない…」なんてことにならないように、【取引高】がある取引所を選ぶようにしてください。

日本の取引所の取引高(24時間集計)/2019-05-19 19:00

取引所名 取引高
Bitbank ¥7,338,524,188
Coincheck ¥3,584,742,057
bitFlyer ¥2,547,514,021
zaif ¥2,240,744,660
Liquid by QUOINE ¥2,028,541,153

公開されている取引所のみのデータになりますが、取引高を上記にまとめましたのでご参考いただければと思います。

なお、hubexchangeでは「取引所検索」というサービスを提供しており、最新の値を確認することも可能です。

儲けに響く手数料率

「取り扱い暗号資産」「取引高」…ときて、最後は「手数料率」も取引所選びの判断基準にすべきでしょう。

手数料率は、取引所という名の胴元から請求される「テラ銭」です。この手数料が取引所の儲けとなります。

ちなみに、手数料率は【一律】という取引所はあまりなく、暗号資産ごとに手数料率が決められている場合がほとんどです。

日本の取引所の暗号資産別取引手数料率(現物)の一覧(2019-05-19調べ)

取引所名 取扱通貨
BTC  ETH  LiteCoin ETC XEM  BCH(ABC)  BCH(SV) XRP  MONA QASH
BitFlyer  Maker 0.01~0.15% 0.2% 0.2% 0.2% × 0.2% × × 0.2% ×
Taker 0.01~0.15% 0.2% 0.2% 0.2% × 0.2% × × 0.2% ×
Coincheck Maker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
Taker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
SBI VC Maker 0% 0% × × × ×
2019年6月28日廃止
0% × ×
Taker 0% 0% × × × ×
2019年6月28日廃止
0% × ×
DMM Bitcoin  Maker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
Taker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
GMOコイン  Maker -0.01% -0.01% -0.01% -0.01% × -0.01% × -0.01% × ×
Taker 0.05% 0.05% 0.05% 0.05% × 0.05% × 0.05% × ×
FISCO Maker 0% × × × × 0.3% × × 0.1% ×
Taker 0.1% × × × × 0.3% × × 0.1% ×
Liquid by QUOINE Maker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × 0%
Taker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × 0%
Bitbank Maker -0.05% -0.05% -0.05% × × -0.05% × × × ×
Taker 0.15% 0.15% 0.15% × × 0.15% × × × ×
Bitpoint Maker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × ×
Taker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × ×

というわけで、手数料率も取引所の取り扱い暗号資産別に上記表にまとめてみました(現物のみ)。なお、手数料率0%は青色、マイナス手数料は太字の青色にしています。
マイナス手数料は、キャンペーンとしてキャッシュバックされる感じですね。

ちなみに、「Maker」「Taker」は区別していない取引所が多いですが、念の為に以下に解説を加えておきます。

Maker 仮想通貨の売買時に、注文情報を板(気配値)に並べること。現在価格の上下の値を指定することで、「板に売買したい価格の情報を掲示」することを意味します。
Taker 仮想通貨の売買時に、すでに板(気配値)に表示されている価格を指定して注文をすることをいいます。 必ず売買できる価格をしているするため、自身が指定した注文が板にのることはありません。

日本の取引所特有の「販売所」という存在

押さえるべきポイントは以上ですが、1点気をつけておくべきものがあります。
日本の暗号資産取引所特有のものなのですが、「取引所」とは別に「販売所」が存在するという点です。

販売所は、上図のように「取引所が仕入れた暗号資産」を販売するサービスです。

そのため、販売価格は取引所が決めた「言い値」になっています。

上記は、BitFlyerのビットコイン販売所の価格表示ですが、買いと売りの価格差がとんでもないことになっています。
この価格差のことをスプレッドというのですが、その幅は約6万円あります。

これ・・・どういったことを意味するのかわからない方も多いと思うのですが、【895,240円】で買った瞬間に、【834,126円】でしか売れないということになります。
つまり、買った瞬間に6万円損するということでもありますw

ですので、よくわからなくても、「販売所」ではなく「取引所」で購入するようにしましょう。

まとめ

  • 買いたい暗号資産を扱っているかどうか
  • 取引高(ボリューム)
  • 売買手数料
  • 販売所ではなく取引所で買う

最後の4つ目は単なる注意点ですが、取引所を選ぶにあたってのポイントをまとめてみました。

草コインの売買に手を出し始めると(それも海外の取引所でしか買えない草コインだと)、もはや「買いたい暗号資産を扱っているかどうか」しか見ないのですが、日本の取引所開設からスタートする方は、ぜひ上記ポイントを参考にしていただければと思います。

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執筆者
仮想通貨データ分析ツール「hubexchange」のCPO(Chief Product Officer)。たまにプロジェクト費用捻出に出稼ぎ中。Planning,Analysis,UI-design,Marketing,Writing,PRなど全方位的にコーディング以外なんでも担当。
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