Litecoin(ライトコイン)<$LTC>

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Litecoinに関する情報
シンボル LTC 正式名称 Litecoin
カテゴリ 暗号通貨 対応取引所数 384
現在価格 20,145円 ($188) 取引量(24h) 788,235,432,236円 ($7,355,755,767)
最大発行枚数 84,000,000枚 循環流通枚数 66,590,963枚
時価総額 1,334,109,134,389円 ($12,449,809,483) 還元方式
暗号方式 Scrypt 承認方式 PoW(Proof of Work)

ライトコインは、2011年にチャーリー・リーにより公開された、決済を目的とした仮想通貨です。

ビットコインのスケーラビリティ問題等のデメリットを改善する補助的な役割として開発が行われたため、ビットコインと性質が非常によく似ており「ビットコインは金。ライトコインは銀」と評されることが度々あります。

ライトコインを取り扱っている日本の暗号資産取引所(2019-05-19)

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取引所名 取扱通貨 手数料
BTC  ETH  LiteCoin  ETC XEM  BCH(ABC)  BCH(SV) XRP  MONA QASH  Maker  Taker 
BitFlyer  × × × × 0.01 ~ 0.02%
BTC/Altcoinで異なる
Coincheck × × × 0% 0%
SBI VC × × × ×
2019年6月28日廃止
× × 0% 0%
DMM Bitcoin  × × × 0% 0%
GMOコイン  × × × × -0.01% 0.05%
FISCO × × × × × × × 0 ~ 0.3%
BTC/Altcoinで異なる
Liquid by QUOINE × × × × 0% 0%
Bitbank × × × × × × -0.05% 0.15%
Bitpoint × × × × × -0.01% 0.05%

日本の取引所では、上記表の通りBitFlyerやCoincheckなどの大手でも取り扱われているメジャーな仮想通貨ですが、日本の暗号資産界隈では少し影が薄いイメージがあります。
しかし、アメリカを中心に海外では歴史的に古い通貨であるが故に、知名度や根強い人気がある通貨でもあります。

本記事では、そんなライトコインの特徴、メリット・デメリット、歴史についてわかりやすく解説します。

ライトコイン(LTC)の特徴は?

ライトコインの特徴は

  • Segwitの実装
  • ライトニングネットワークの導入

上記2点にあります。詳しくみていきましょう。

Segwitを実装

ライトコインは、2017年5月に主要な仮想通貨の中で初めてSegwitが実装されました。

Segwitとは、「Segregated Witness(署名領域の分離)」の略語で、トランザクション(取引データ)に含まれる「scriptPubKey」「scriptSig」という署名情報(送信元情報など)を分離して、別領域である「Wintness」に格納することでトランザクションのデータサイズを小さくする技術です。

ブロックチェーンは1つのブロックあたりの容量が決められているため、Segwitを実装することで、1つのブロックに多くのトランザクションデータを格納することができます。

ブロックチェーンの技術情報については連載企画『ブロックチェーンの未来』の下記記事をご参照ください。

・ [01] そもそも「ブロックチェーン」とはなんなのか?

例えば、長期間の旅行に行く場合を例にしてみましょう。
長期旅行となると、たくさんの荷物をバックに入れ込む必要がありますが、バックの大きさは限られているため、バックのサイズにあわせて荷物を選定しなければなりません。

そんな時に役立つのが「圧縮袋」(デデーン!)。
「圧縮袋」を利用することで衣類等の体積を小さくして、通常よりも多くの荷物をバックにいれこみ運べるようにすることができるようになります。

そう。Segwitは「圧縮袋」のような技術であり、ライトコインはその技術を主要仮想通貨ではじめて採用し運用に載せた…というわけです。

ライトコインのブロックサイズは1つのブロックあたり1MBですが、Segwitを実装することで理論上4MBの容量を得ることができると言われていました。
しかし、あくまで理論的な数値であるため実質的には1.7MBのトランザクション処理にとどまっているようです。

このSegwitにより以下の問題を解決できると言われています。

スケーラビリティ問題

スケーラビリティ問題とは、トランザクションが増加することで処理できるトランザクションの容量を超えてしまい、トランザクションが詰まってしまう状態のことを指します。
そして、このスケーラビリティ問題により送金の遅延等の問題が発生します。

しかし、Segwitを実装することで1つあたりのブロックで処理できるトランザクションの容量が増えるため、スケーラビリティ問題を軽減することができます。

ただし、Segwitを実装したとしても、実装後の容量以上にトランザクションが生成されれれば、トランザクションは詰まってしまうので根本的な解決策とはなっていません。

スケーラビリティについてはの下記の「Ethereum(イーサリアム)」の記事をご参照ください。

Ethereum(イーサリアム)- スケーラビリティ

トランザクション属性の課題解決

トランザクション属性の課題は、署名情報をハッシュ化(暗号化)することによって得られるトランザクションIDが、ブロックチェーンの脆弱性により外部からの攻撃により書き換えができてしまう点にありました。

外部からトランザクションIDの書き換えを行われてしまえば、同じ取引であるのにIDだけを変更することで、二重取引が可能となってしまいます。

しかし、Segwitを実装することで署名情報が分離されるため、トランザクション属性が起こらなくなると考えられています。

ライトニングネットワークの導入

ライトニングネットワークとは、複数のペイメントチャネルを繋げることで取引をリレー形式に処理することができる技術です。

ここでいう「ペイメントチャネル」とは、二者間で複数回の取引を行うときに取引毎にブロックチェーンに記録するわけではなく、ブロックチェーンの外部にあるオフチェーンを利用することにより、最初と最後の取引だけをブロックチェーンに記録するチャネルのことを言います。

ブロックチェーンでは、取引の記録をしなければ(=マイナーからブロックチェーンへのトランザクションデータの承認を受けなければ)マイナーへ手数料を支払う必要はありません。
このため、オフチェーンで処理をした取引はブロックチェーン上に記録されることがないので、ペイメントチャネルを利用することで手数料等の効率化が測れるようになります。

【関連記事】

・ オフチェーンの功罪

ただし、ペイメントチャネルを利用するためには二者間でチャネルを開設する必要があり、複数人に送金するためには人数分のチャネルを開設しなければいけないため手間が多くかかってしまいます。

そこで、ライトニングネットワークでは、ペイメントチャネルの利用者をネットワークで結びつけることで複数のチャネルを開設する必要性をなくしました。

例えば、A、B、Cの人物がいたとしてAC間の送金を考えます。
AB間、BC間でペイメントチャネルを開設していましたがAC間では開設していない場合、ライトニングネットワークによりA→B→CとBを介して送金を行うことができます。

従来の送金システムでは、Bが持ち逃げするリスクがあったため第三者であるBの信用(というか、どのように送金分の資金を担保させるか)が必要でした。

しかし、ライトニングネットワークでは、HTLC(Hashed Timelock Contracts)によりトランザクション内にハッシュ値を入れて、Cだけがロックを解除できる仕組みを取っています。 このため、Bのような第三者の信用は必要ありません。

また、HTLCは第三者(取引所)を介さずに信頼のできない二者間で異なる通貨を交換できる仕組みであるアトミックスワップにも応用されています。

ビットコインやライトコインでは、ライトニングネットワークが導入されており、以下の問題を解決できるのではないかと考えられています。

マイクロペイメント(少額決済)

ビットコインやライトコインは、1円以下のマイクロペイメントが可能ですが手数料の方が高く付いてしまうことが問題でした。
しかし、ライトニングネットワークを利用することにより、ペイメントチャネルが開設されている間は手数料が無料となるので、こうしたマイクロペイメントも可能になると言われています。

スケーラビリティ問題

ライトニングネットワークでは、ほとんどの取引をオフチェーン上で処理するためトランザクションの増加を防ぐことができます。
このため、スケーラビリティ問題の緩和することが可能です。

ライトコインとビットコインの比較

ライトコインとビットコインの比較は下のようになります。

ライトコイン(LTC) ビットコイン(BTC)
発行枚数 8,400万枚 2100万枚
コンセンサスアルゴリズム PoWPoW
ブッロクサイズ 1MB 1MB
承認速度 約2.5分 約10分
ハッシュ関数 Scrypt SHA-256

ライトコインは、ビットコインの補完的な意味合いで開発されたため、性質が非常によく似ていることがわかると思います。

ただし、ライトコインは承認速度がビットコインに比べて4分の1と速く、即時性の求められる買い物等の少額決済に向いています。

また、仮想通貨では珍しくハッシュ関数は「Scrypt」を使用しています。このため、ビットコインと比べるとマイニング難易度が低くなり、一般的なPCでもマイニングが可能となっています。

ライトコイン(LTC)の問題点

  • ハッキングのリスク
  • ビットコインキャッシュ(BCH)との関係

ライトコインには上記のような問題点があるとされています。

ハッキングのリスク

ライトコインは、ビットコインに比べるとマイニング難易度が低く、承認時間が短いためハッキングリスクが高いと言われています。それは、ハッキングを行うためのハッシュパワーのコストが比較的に安価になるため、ビットコインに比べてハッキングを行いやすくなるためです。

そもそも、PoWのコンセンサスアルゴリズムを用いたブロックチェーンのハンキング被害は、莫大なハッシュパワーを保有しなければならず、多くのコストがかかってまい利益に見合った報酬が得ることができないため起こり得ないと考えられてきました。

しかし、2018年5月にビットコインゴールド、モナコイン、ヴァージのハッキング被害が起こりました。これは、取引所を攻撃されたわけではなく、いわゆる51%攻撃にて仮想通貨自体を攻撃されたものです。

ブロックチェーンは分岐した場合、長いチェーンが本来のチェーンとして残り、短いチェーンは消えてしまうようにプログラムされています。

モナコインでは、ハッカーが承認したブロックをブロードキャストせずに隠しておき、隠したブロックのチェーンを他のチェーンより長くすることで、意図的に作り上げたチェーンを本来のチェーンとすり替える「Reorg(巻き戻し)」を発生させて、約1,000万円の被害が発生してしまいました。

今現在、ライトコイン自体の大きなハッキング被害は報告されていませんが、モナコインのもととなったこともり、承認時間の速さなどの共通する理由からハッキングされる可能性は「高い」ということができるでしょう。
ただ、暗号資産自体ハッキングリスクに常にされされていることは間違いなく、あくまでもビットコインと「相対的に比較」して…という前提のうえでの話になります。

ビットコインキャッシュ(BCH)との関係

ライトコインとビットコインキャッシュ(BCH)は、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するための目的として誕生した背景から競合関係にあると評されることが多々あります。

このため、ビットコインキャッシュの開発が進むにつれてライトコインの必要性を問われることがよくありました(また、ライトコインは他の仮想通貨と比べても画期的な機能が少ない点が問題視されています。)。

ビットコインキャッシュは、ブロックサイズを32MBにすることでトランザクションを処理できる容量を大きくしてスケーラビリティ問題を解決しようとしています。

ただし、ビットコインキャッシュはSegwitに対応していないので、ライトニングネットワークやアトミックスワップが利用できません。

どちらが良いというのは今の時点で判断できませんが、今後の動向を注目する必要があるでしょう。

ライトコイン(LTC)の軌跡/タイムライン

ライトコインは、2011年10月に公開されて、ビットコインの次に歴史的に古い仮想通貨とされています。そんなライトコインですが2017年以降は目覚ましく発展を遂げています。

ここでは、ライトコインの近年の様子をご紹介します。

年月 アクション
2017年3月 アメリカ最大級の仮想通貨取引所であるコインベース上場
2017年4月19日 日本最大級の仮想通貨取引所であるCoincheck上場
2017年4月27日 Segwitの導入
2017年7月12日 日本最大級の仮想通貨取引所であるbitFlyer上場
2017年9月23日 ライトニングネットワークのテスト成功
2017年12月 開発者チャーリー・リー氏の保有するLTCを全て売却 チャーリー氏は開発に専念するためとのことであるが、大きく価格が下落する要因となった。
2018年3月16日 ライトニングネットワークβ版を実装
2018年4月5日ライトコイン財団と提携した初めての公式決済パートナーであるアメリカのクレジットカード会社「Aliant Payment Systems」と提携
2018年7月11日 「TokenPay」と提携 「TokenPay」は既存の金融機関と仮想通貨の共存を目指しており、ライトコイン の普及に貢献する可能性を示した。

日本の取引所の暗号資産別取引手数料率(現物)の一覧(2019-05-19)

取引所名 取扱通貨
BTC  ETH  LiteCoin ETC XEM  BCH(ABC)  BCH(SV) XRP  MONA QASH
BitFlyer  Maker 0.01~0.15% 0.2% 0.2% 0.2% × 0.2% × × 0.2% ×
Taker 0.01~0.15% 0.2% 0.2% 0.2% × 0.2% × × 0.2% ×
Coincheck Maker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
Taker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
SBI VC Maker 0% 0% × × × ×
2019年6月28日廃止
0% × ×
Taker 0% 0% × × × ×
2019年6月28日廃止
0% × ×
DMM Bitcoin  Maker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
Taker 0% 0% 0% 0% 0% 0% × 0% × ×
GMOコイン  Maker -0.01% -0.01% -0.01% -0.01% × -0.01% × -0.01% × ×
Taker 0.05% 0.05% 0.05% 0.05% × 0.05% × 0.05% × ×
FISCO Maker 0% × × × × 0.3% × × 0.1% ×
Taker 0.1% × × × × 0.3% × × 0.1% ×
Liquid by QUOINE Maker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × 0%
Taker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × 0%
Bitbank Maker -0.05% -0.05% -0.05% × × -0.05% × × × ×
Taker 0.15% 0.15% 0.15% × × 0.15% × × × ×
Bitpoint Maker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × ×
Taker 0% 0% 0% × × 0% × 0% × ×
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執筆者
hubexchangeのメディア部門を担う「編集部」の公式アカウントです。 編集長はもぐらいだー(ikenaga)。ハッキングされた取引所の事象発生から現在までを追う「ハッキング探偵」などの企画立案や執筆時マニュアルの策定などの編集部内外の標準化ツールの整備に注力中。メディア事業に興味があるアシスタント希望者求む!
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