[01] そもそも「ブロックチェーン」とはなんなのか? <ブロックチェーンの未来>

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2008年に仮想通貨ビットコインの基盤技術として登場したブロックチェーンは、その技術の特質とそこから生まれる価値が注目され、仮想通貨以外の分野での取り組みも急速に拡大しています。

2018年にIT専門調査会社 IDC Japan 株式会社から発行された「ブロックチェーン関連市場予測」では、ブロックチェーンに関連する世界の2018年の支出額は15億ドルと見込まれ、これは2017年の支出額の約2倍でした。

また、ブロックチェーンへの支出は、2017年~2022年の予測期間を通じて順調に増加し、5年間の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は73.2%になるとIDCでは予測しており、2022年に117億ドルに達する見込みです。[出典:1]

本記事では、関連市場が急成長するブロックチェーンの現状を、その特徴、有用性、分類の観点からご紹介します。

ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンは、本来ビットコインに実装された技術を総称したもので、既存の暗号技術などを組み合わせたものでした。 2008年にサトシ・ナカモトが開発した仮想通貨ビットコインの中核技術を原型とするデータベースです。

現在広く知られているブロックチェーンは、分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)、または、分散型ネットワークのことをいいます。

ピアツーピア(P2P:Peer to Peer)ネットワークを利用しているブロックチェーンには主に以下の3つの特徴があります。

  • 真正性の保証された取引が可能(二重支払の防止)であること。
  • データのトレーサビリティが可能で、透明性の高い取引が可能(改ざんが困難)であること。
  • 中央管理者が不在でも、悪意を持つユーザがいてもエコシステムが安定維持されること。

ブロックチェーンの仕組みは、ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードの連続的に増加するリストを持っていて、各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれています。

理論上、一度記録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更しようとすると膨大な計算能力を必要とするため、結果的に保存された改ざんが大変困難です。

ブロックチェーンデータベースは、Peer to Peerネットワークと分散型タイムスタンプサーバーの使用により、自律的に管理されます。より発展的には、インターネット上において価値情報を相互承認するプロトコルである、といえます。

ブロックチェーンの有用性

ブロックチェーンの代表的なものとして、ご存知の通りビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が挙げられます。

それぞれの通貨は特徴が違い、その目的もユーティリティトークンとして使用できるものなど、様々ですが、なかでもイーサリアムはプログラムの帳簿というべきものであり、任意のコンピュータプログラムを帳簿に載せることができるため、「スマートコントラクト」である自動契約が可能になっています。

イーサリアムを用いることで、ブロックチェーン上で動く分散型のアプリケーションであるDApps(Decentralized Applications)を開発することができ、イーサリアム上で動いているDApps の例も数多く生まれています。

マーケットインテリジェンスのHTF社が発行する「Worldwide Cryptocurrency and Blockchain Market (2016-2022)」のレポート[出典:2]では、ブロックチェーンを使用する暗号化通貨市場の主要な推進要因を分析しています。

  • 適切なセキュリティ
  • 認証
  • 取引の容易さ
  • 暗号化通貨保有者が何の情報も必要とせずに正確に送ることができるというような推進メカニズム

の存在が伸長の要因であると説明しています。

さらにブロックチェーンが画期的なのは、インターネットのように不特定多数のコンピューターが自由に参加できる状況において、中央管理者不在でも参加者間で合意形成ができる点です。

インターネットにつながったコンピュータであれば、誰でも採掘などのトークン発行プロセスあるいは、どのトークン生成が正しいのか、トランザクションが正しい順序で取り込まれているのかなどといった、従来であれば銀行が特権的におこなっている検証作業に、ブロックチェーンを通じて参加することが可能となりました。

これは、市場参加のメカニズムの障壁を取り除いたこととしてとても有益です。

これによって企業や政府は、様々なサービスにおいて、中間的な第三者が介在しない形でのサービスを提供できる可能性が生まれてきました。

金融系に始まり、医療や公共、コンテンツやシェアリングなど、様々な分野への活用方法が提案されており、実際に応用した場合に、どのくらいのインパクトがあるのかの検証が民間企業や政府を主体にして始まりつつあります。

企業や行政機関は、既存の業務をブロックチェーンに置き換えることにより、コストの削減ができる可能性が大きくある為、アメリカのスタートアップやエストニアなど諸国では実際に公共インフラとしての採用を検討し始めています。

ブロックチェーンの分類

ここで、中間的な第三者が介在しませんが、管理主体に関する選択肢も出てきています。

日本総研のレポート[出典:3]では、ブロックチェーンを3種類(パブリック型、コンソーシアム型、プライベート型)に分けて説明しています。

ビットコインの様に誰でも参加が可能で、中央集権的な管理者が不在でもシステムが成り立つブロックチェーンはパブリック型と分類されています。

P2Pネットワークに接続されている各ノードそれぞれがブロックチェーンのデータをすべて保有し、一部のノードがダウンしても他にもデータを保有するノードが存在するため、全体が停止することがありません。 また、ブロックチェーンでは取引ごとに電子署名が付与され、ハッシュ関数などの技術を用いてブロック同士が互いに関連づけられているため、改ざんの検出も容易です。

しかし、ビットコインのブロックチェーンには可用性が高く、改ざんに強いといったメリットがある一方で弱点も存在します。最も大きな課題はパフォーマンスです。

さらに、ビットコインは誰でも参加でき、特定のノードを排除する仕組みがないことから、違法な取引に利用されるおそれがあることも指摘されています。

例えば、金融機関の取引では毎秒数千件といったレベルのリアルタイム処理能力が要求されることが多く、プライバシーやコンプライアンス要件も厳しいことから、このような特徴をもつ、パブリック型のブロックチェーンの採用には不都合な点が多いと言えるでしょう。

そのため、金融機関では管理主体を設置する形態のクローズドなブロックチェーンの開発や実証実験が盛んになっています。

管理主体が必要なブロックチェーンは、複数管理者で構成されるコンソーシアム型と単体管理者で構成されるプライベート型に分類できます。

いずれも、管理主体が参加者を信頼できる者に限定することで、悪意の参加者を排除するほか、合意形成アルゴリズムにPoWではなく、リアルタイム処理に適したものやファイナリティを確保できるものを採用することで、パブリック型のブロックチェーンの弱点を克服しようとしています。

このように、大規模で分散した信頼性基盤としてのブロックチェーンの技術は、新たな可能性を生みだしています。

ブロックチェーンの代表例である仮想通貨を介しては、様々な資産や情報を国境を越えて直接交換することが可能になります。 パブリック型では、様々な分野で、中間的な第三者が存在しない、新たなビジネスモデルが出現し、より効率的なサービス提供がされるようになるでしょう。

仮想通貨は様々な資産や情報を直接交換することを可能にします。 ブロックチェーンが行政や自治体の仕組みとして導入されると、多くの事務処理が簡素化され、コストが削減されるでしょう。

また、スマートコントラクトで企業内及び企業間の様々な仕組みが自動化され、事務手続きなどの効率化が進むことも期待されているなど、ブロックチェーンの可能性はかなり大きいことが現状から語られています。

関連記事
執筆者
hubexchangeのメディア部門を担う「編集部」の公式アカウントです。 編集長はもぐらいだー(ikenaga)。ハッキングされた取引所の事象発生から現在までを追う「ハッキング探偵」などの企画立案や執筆時マニュアルの策定などの編集部内外の標準化ツールの整備に注力中。メディア事業に興味があるアシスタント希望者求む!
whatshot ランキング
新着ユーザーズコラム
hubexchangeをフォロー!