中央に管理者を置かない”分散型”の仮想通貨取引所のことをDEX(Decentralized Exchange)と言います。
DEXは、概念的には仮想通貨プラットフォーム上に構築された「分散型アプリケーション(Dapps)」に位置づけられる存在で、プラットフォーム別のDEX分類は下記の通りです。
プラットフォーム | DEX | DEXトークン |
---|---|---|
Bitshares | OpneLedgerDex | -- |
Bitshares | CryptoBrige | BCO |
Waves | Waves Dex | Waves |
ethereum | EtherDelta | EDT |
ethereum | KyberNetwork | KNC |
ethereum | Bancor | BNT |
なお、上記のBancor(バンカー)は、スマートトークン発行のためのプラットフォームとそのプロトコル定義をしたアプリケーションであるため正しくは取引所ではない。
ただし、Bancor(バンカー)上で発行したトークンの売買マッチングを行う点から取引所に含まれるものとしてここでは定義しています。
Q:ハッキングリスクはなくなる?
DEXは、その管理がユーザー個々人に分散されているため、Coincheckやzaifのように取引所が保有する資産をまとめてハッキングされる…ということは無いといえます。一方で、DEXのアカウントやそれに紐づく資産を管理するプライベートキーは個々人に委ねられるため、個人アカウントがハッキングされる可能性は0ではありません。
Q:DEXは流動性が高まる?
A:DEXの基盤となっている仮想通貨プラットフォーム(イーサリアムなど)から生まれたトークンが多ければ多いほど…つまりは、取扱可能・売買可能なトークンが多いほど流動性が高くなる可能性はあります。ただし、流動性は
など複数の条件が絡みあって変動するため確定的な回答はできません。
Q:個人情報は秘匿される(KYCは不要?)
A:アメリカの証券取引委員会(SEC)の声明によると、仮想通貨であっても金融商品の条件を満たす「セキュリティ・トークン(Securities Token)/証券型トークン」に分類される場合には、それら仮想通貨の売買を取り仕切る取引所にはCentralized Exchange(中央集権型取引所)、Decentralized Exchange(分散型取引所)の区別なく、1993年証券法にもとづきSECへの登録が必要であるとしています。
それにあわせて(といいますかSECに迎合する形で)、「KYC(Know Youre Customer)」を強化する取引所も増えてきており、CEXではなくDEXの中にも「KYC」を必須とする取引所も出てきています。
なお、一部の取引所では、これらSECへの登録対象から外れるために、そもそも「セキュリティ・トークンの取扱中止(delisted)」を進めているところもあります。
SECの見解次第ではありますが、既存の金融規制の枠組みにDEXを組み入れることにはやや疑問符がつきます。